5歳の時に前世持ちと気づいた主人公。
帝国のとある組織のボスに引き取られ、裏の仕事をしているうちに王国の侯爵令嬢の侍従に。オモテの仕事としてこなしつつ、ウラの仕事もする立場。王国情報を本国に流す仕事もしています。帝国にいたころのお嬢様は我儘でしたが、うまく育て上げ、完璧淑女に。忠誠をささげていると言ってよいと思いますが、異性の平民がずっと仕えることはむずかしく、侍従の契約は令嬢の結婚までとなっています。契約終了後はまた本国に帰ってウラの仕事になると思われました。
侯爵令嬢が王子の婚約者。男爵令嬢に攻略され、卒業パーティーで婚約破棄宣言されている最中に乙女ゲームの世界であると気付きます。主人である侯爵令嬢は、王子にはまったく興味ないとはいえ、ギャラリーのいる場所での幼稚な断罪を許せるはずはなく。
なぜか侯爵令嬢と男爵令嬢が王宮に滞在し、1年の期限で婚約者候補として競うことに。そのあいだに隠しキャラの帝国皇子がからみ始めます。
と、いった乙女ゲーム的展開とは別に主人公はタイトルどおり性欲が強い。仕事がらみのセックスも抵抗なく受け入れます(と、いうかそのように教育されています。前世も奔放なタイプのゲイなので暗くないです)。プライベートのセックスは組織に制限されています。
仕事関係ならいいだろう、と皇子の護衛騎士を誘います。これが攻。皇子の護衛(もちろん貴族家出身で本人も騎士爵持ち)と裏社会の工作員ではつきあえるような関係になれる訳がなく。
帝国に戻って、しばらく休養してまたウラの仕事に戻るつもりでいたところ、お嬢様の希望で周囲が動いて、結局侍従に戻ることになります。
性欲強いという自覚。仕事や侍従としての立場では緊張関係にあっても、なだれこんだらそのまま楽しんでいます。どんなセックスでもへこたれない。
お嬢様と別れてもへこたれない。攻と別れてもへこたれない。
そんな主人公ですが、自分が育てたお嬢様の「我儘」で組織を抜け、侍従に戻る。そして攻ともくっつきます。
攻は騎士としての実力も肉体美もあり、これでもかというチートがあります。ゲイである主人公が求めるものを与えられるのは攻なのでしょう。でも、そのきっかけはお嬢様であり、我儘なお嬢様を自発的に淑女に育て上げた主人公であった、という話(と、私は思います)。
攻にとっては、求めるもの(受)を与えてくれたのは主人である皇子です。
どんなに能力があっても、愛があっても、攻と受だけではどうにもならない。それを打破したのがふたりの主人(元主人)でした。身分制があるからというのもあるけれど、ふたりだけの世界ではなく、まわりに助けられ、支えられ、また助け、支えという関係がある。主人は仕える者の能力を吸い上げるだけの存在ではない。時には全力で仕える者のために動く。そこが痛快な見せ場となります。
すべて解決してもらって、あとはふたりがつきあうだけ、というところまで行けばもうセックスしかないです。攻の手を取ります。
主人公の前世から引きずるトラウマ(捨てられるのではないかというおびえ)は解消されないし、結婚にも踏み切れないままだけれど、それでもやはり帝国での侍従生活を受け入れたのが答えなんじゃないかと思います。
作品タイトル:
【BL】悪役令嬢のビッチ侍従
https://novel18.syosetu.com/n2607ix/
公開日:2024/04/20-2024/05/21
作成ユーザ:梅乃屋
https://xmypage.syosetu.com/x4820bv/
読了:2024/05/21
短編/連載:連載 40部
完結/未完:完結
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文字数:114,669文字
兄弟情報:なし
CP:帝国騎士、侍従(王国侯爵令嬢→帝国皇子婚約者)
同作者既読:
非BL:
マッチョと氷の侍女
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※作品情報は読了時点のものです。